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久々にギャラリー巡りをした締めは新潟絵屋の華雪書展「由」へ。今日はその展示会場で舞踏家堀川久子さんの独舞。静的な動きの中に体の細胞一つ一つが圧倒的なエネルギーを発散している堀川さんと、動くことは無い「書」でありながら生命を持っているかの如くの華雪さん作品とが一体になった空間は、「静」が持つ本来のエネルギーに満ち溢れた空間でした。 写真は華雪さんの作品。 左から「由-1119」「由-803」「由−1614」。数字は華雪さんが縁あって被災地に伺ったときの震災後経た日数。震災後何年というような使い方をするのが一般的だけれど、華雪さんが訪れた被災時から全く手が着けられる事無く当時のままを残す空間には、その時からずっとそこにあるカビにまみれたミカンが有り、簡単に何年とひと括りにできないと思ったとの事。作品はその数字の分だけ木炭で書いてはパンで消し書いてはパンで消しした「由」。「由」という文字ができた由来は、果実が熟し中身が油化して空洞になった様から来ているそうで、カビにまみれたミカンはまさに「由」だったのでしょうね。 ひらがなの「ゆ」は「由」がくずれてできた文字なので、数多く書いているうちにひらがなの「ゆ」に近づくのではないかと思って書いたそうですが、さにあらず「由」はまだ「由」だったそうです。文字を甲骨文字からひらがなに変遷していく人間の行為は、一朝一夕では無い果てしないスパンだったという事を、キーで文字を打っているばかりではできなくなるだろうなあ、と感じた作品でした。 「由−1614」はまだ1614回書き直しして無く会期中も引き続き書き消ししているとのこと。 今日見た作品が1614回目にどうなっているか、これから会場に訪れる方も是非その変化を確認してみるのも良いのではないかと。会期は10日(土)までです、お近くの方是非ご覧ください^^!
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