atelier shot 2009.2.11
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壁面を埋め尽くす5センチ角の作品1000個。これ新潟市(旧巻町)在住の作家
アンティエ・グメルスさんの「1000prayers」
という作品。1000個一個一個が作品なんだけれど、全体として集合体としてもある意味作品ともいえる。毎日毎日作り続け展示は制作順に配置されている。アンティエさん的に言うとこれは絵日記だそうで。じっくり見るとその時々の気持ちや興味が時系列で感じられ季節感さえ感じられる(勝手に解釈)のもおもしろい。しかしこれ全部見るのは結構大変で、私が絵屋番をした最終日も多くのお客さんが訪れたけれど、皆この壁の前では長時間にわたり無言で集中して見ていた。会場に入った瞬間すべての人が「はぁ〜」とか「うわぁ〜」とかの感嘆句を発し、この作品が放つエネルギーが計り得ないものだったことはとても写真や文字では表現できない。展覧会は終了したのでこれを見て行きたいと思ってもすでに終了しているのが残念だが(すみません情報にならず、でも私のこれはブログと違うのでご容赦)きっとどこかでまたお目見えすることがあると思うので、興味持たれた方は「アンティエ・グメルス」さんの名前ご記憶に。
もう一枚の写真は昨晩行った山下達郎のコンサートチケット。達郎ファンの私は毎回コンサートには脚を運んでいたけれど、今回チケット購入のタイミングを外し、行けない覚悟をしていたところ知人からチケットを譲ってもらえることに。あまりにも良い席なので恐縮しながら会場へ行くものの、始まってしまえば思いっきり良い席をスペシャル満喫。Kご夫妻には感謝という言葉だけではすまないくらいの一時だった。コンサートの内容はまだツアーの折り返し点ということで、ブログ等での取扱注意を達郎も言ってたので触れないが、ただ今回のツアーは大阪フェスティバルホール(通称フェス)が解体され無くなる事が発端。達郎はいわゆる多目的センターでのコンサートはやらないミュージシャンでホールでのコンサートにこだわる。そんなホールの中でフェスは達郎お気に入りであったが経済観念が優先され建て替えの方針に。異を唱え続けた達郎の力及ばず達郎のコンサートがフェスの最後(一般貸し)となった。(JIA保存問題委員会所属の私もこの件はよく知らなかった)
我が新潟県民会館の事も達郎はお気に入りで、このホールが末永く残り続けることを願ってたが、保存の価値を訴えている私としては嬉しい一言だった(余談だが新潟県民会館は今のところ解体の危機はない。しかし高崎の群馬音楽センター(レイモンド作)が老朽化と一部人の音響良質化を求める声により解体の危機が囁かれている)。
達郎も言っていたが、近年の音楽はCPの駆使により音の作り方が違う方へ向かっているのでは無いかと。確かにCPを使うことで完成度というかクオリティーというか仕上がりが正確で澄み過ぎているように感じる(映像もそう)。人が受け入れるのだから人間の感覚に合うものが本来の姿のように感じるんだけれどなあ。
前のアンティエさんといい達郎といい作り上げる作品の完成度は高い。しかしそれはCPに頼る完成度ではなく人の創り出す完成度。その、人がつくりあげる完成度の高さかが大きなエネルギーを発し人は心動かされる。二人のアーティストのようなスタンスが閉塞的な今の日本を替える(ちょっと大袈裟か)根幹になるように感じるのは私だけ? (またまた長々とすんません。いと)
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