atelier shot 2006.01.05

  
 謹賀新年。毎年正月元日は今は亡きお茶の師匠の自宅での宴におじゃましている。毎年数十人の詣で客でごった返しており、今はご主人(私の先輩)一人が座主であるのだけれど、相変わらずの賑わいだった。大勢の人、老若男女が集まり日常的なことからかなり突っ込んだことまで飽きることなく話し飲み続ける。多様な人との宴席での会話は消えものになりがちであるが、中には発想を刺激するような新鮮な意見が聞けたりもする。巷は最近インターネット上での閉じた空間での会話や、文字での意思表現が多いが(これもその類)、やはり人は顔を付き合わせた会話から得られるものの方が意識の奥底に蓄積されるように感じる。だからどれだけ多くの人に会ったか話したかが自分の厚みになるのだと思っている。
 お茶やお花の稽古を通じていわゆる「口伝」というものを感じるときがある。ともしたらガイド本やHOW TO VTRで安易に学びたくなる時もあるのだが、やはり「口伝」によって得られた事は質が違うように感じる。「口伝」は、手段を学ぶというよりは本質を学ぶといった感じ。だから「あっそうかこういう事だったのか」と気づいたときにはもうどんな事にも対応できる。アドリブ能力も付くということ。この「気づく」事は時間の経過が生み出すもの、というか時間の経過があるからこそ生まれる事なのだと思うわけだが、ここに「口伝」のエッセンスが秘められているのだろう。またも年頭から「時間の経過」の重要性を感じているのだけれど、スローライフの大切さを感じているにもかかわらず、この流れるごとき時間の早さの中に身を投じている自分が矛盾している。厄も空けて本来はアクセル全開って感じなんだろうけれど、少し速度を抑えめに進のが良いのかも。沢山の人と会い話し杯を酌み交わし(って結局それがしたいからかい)、文字からは得られない何かが見つかる、そんな一年にしたいもの。相変わらずの遅更新も改善しなくては・・・。今年はアウェーにも行くぞ!これが一番の願い。(いと)
 
 
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