atelier shot 2008.4.23

  
 今回は竣工物件のお話しを。この春竣工した住宅の居間から土間〜外部を望む写真から。私が撮った素人写真なので、もっと良い写真はPROJECTM邸をご覧あれ。
 この建物のお施主さんは地元のお祭を熱心に伝承している(簡単に言えばお祭好きって事です)30代のご夫妻。「リビングではなく居間が欲しいのです」という条件からイメージの方向性は町屋のイメージで、そこに現代のライフスタイルを合わせてプランすることに。玄関は土蔵の古戸を使いいわゆる玄関式台を設けず土間のまま内部へ。誘われて奥へ行くとそこは吹抜の土間空間、外部建具を開け放てば外と土間が一体に。この土間を中間領域として中と外が曖昧に繋がるような空間がこの家の特徴。町屋の通り土間っていうか火袋っていうか、昔の良さを現代に繋げるこの土間空間。庭で遊んでいても居間へすっと入っていけ、天候が悪い時の作業空間にもなり、冬場は植物満載の温室的になったり薪ストーブで暖を取りとゆったりとした時間が楽しめる。かつての民家にはこういった一見無駄だけれど多様的フレキシブル的に使えた空間があった。効率を優先している現代の住宅にそういったゆとりがあるだろうか?仕上げは真壁造りで無垢の板と塗り壁、共にけっして高価ではなく質感を優先視した材料でまとめ空気感を優先に。夏、庭でのBBQ時クールダウンに居間へすっと入っていき畳の居間に大の字になって寝転がる。水打ちした土間を通ってくる風がほろ酔い気分に心地良い(どうしても酒好きな自分を基準に考えてしまう)。炎天下の外があるから風通しのいい畳の上が気持ちが良い。ちょっと前まではどこの家にも有った空間。忘れ去られそうなそんな心地良い空間を復活したい、そんな思いで造った家です。ってか、やっぱ家造りの基本は心地よさですよ、楽しく食事ができ心地よくお酒が飲める、そんな空間造りですよやっぱ!(いと)
 
 
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