weekly shot 2002.10.28

  
 アトリエの入口。木造アパートの一階で、もともと車庫だったらしいところを事務所に貸してもらっている。だからドアではなくて引き戸。開口面積が大きいのが魅力で、陽気が良いときにはオープンテラス感覚で、パラッと開け放し外と一体になることができる。店頭にグリーンの置けるスペースがあったり、ガラス張りで狭いながらも開放感があったり、一方通行なので道路事情も激しくもなく歩行者も良く通る。そんなヒューマンスケールな立地が気に入った点。道に迷ったり探している所が分からなくなったりで、道を尋ねてくる人が多かったり、越してきた当初は近所の人が古本屋さんと間違えて入ってきたけど、どうぞご自由に見ていってくださいって感じですね。
 設計事務所って、あまりに一般市民に開いて無い印象があった。だいたい貸しビルの上階にあって、袖看板に「○○建築設計事務所」って有るだけ。お役所や、特定のゼネコン・設計事務所のみのつきあいの中で仕事をしているのならそれで良いのかもしれないが、設計事務所だって一般市民に設計やデザインを売る商売。もっと自らを外に向けて表現すべきだと思う。貸しビルの「○○建築設計事務所」というイメージが「○○法律事務所」「○○司法書士事務所」等と同じ様に、「偉い先生がいそうで」「敷居が高い」「自分たちとは関係のない世界」的イメージを定着させてきたんじゃないかな。本来設計事務所(特に住宅系)は、かつて近所に必ずいた大工さんの頭領と一緒で、地域に密着していて良いはず。別に家を建てる時だけの関係でなく、「ガラスが割れた」や「水が詰まった」等など建物に対するちょっとした相談も親切に対応してくれるものです。できれば、建築の専門書なんかもあるわけだから、図書館代わりに「ちょっと建築の本見せてください」的に使ってもらっても良いと思う。こっちが忙しいときは「どうぞご自由に」って感じでお互い気を遣わない関係で。そんな感じで「設計事務所は決して敷居が高くない」をモットーに、これからも、オープンテラス感覚でアトリエを運営していきます。(いと)
 
 
一級建築士事務所 伊藤純一アトリエ TEL 025-228-2536 FAX 025-228-2537
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