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メディア掲載~新潟日報朝刊「甘口辛口」2020.10.22~

第五回は建築の外部空間について。居心地の良い建築は外部空間も重要なのです!

<食と庭>

「わが家のLDKは2階にある。西側に障子戸の窓があり、秋には建物際に植わる柿の実と枝が西日に照らされ、障子に影絵を作る。窓を開ければ色付いた柿に手が届くほどで、緑が室内に飛び込む。祖父と父が建てたこの家は竹林に接し、他にもビワやプラムといった実のなる木が育つ。
 明治と戦前生まれの2人は土地を探す際も木を植える際も、「生きることに足しになること」つまり食を意識し選択した。おかげで旬の恵みを堪能できるだけでなく、実を求めて集まる鳥たちのさえずりも楽しませてもらっている。
 家を建てるとき、外部空間は内部空間と同様に重要だ。視覚的な豊かさ、外部での食事の気持ち良さ、畑とまではいわずとも食することができる物の植栽は、食卓に季節感をもたらす。中でも庭に植わるハーブは目を楽しませ、風の香りを届けてくれる。食にも使えるからありがたい。今夏、ポットにハーブを入れるだけのハーブ水の作り方を友人から教わった。猛暑の中、爽やかに潤いを与えてくれる一杯だった。」

我が家の西窓。