メディア掲載~新潟日報朝刊「甘口辛口」2020.10.20~
第三回は建築家として居心地い住まいは食の空間からという事で
<居楽~おりてたのしむ~>
「夜な夜な飲みに出歩いていると思われるしょっぺ店愛好家。若い頃は仕事終わりに打ち合わせを兼ね、外食をする事が多かったが、現在は週に一度行くかどうか…。とはいえ家では毎夜、旬の食材を肴(さかな)に晩酌を愛飲しているので、その時間は豊かなものにしたいと思っている。
住宅の設計では依頼者のライフスタイルをイメージし、食事をどんな空間で、どう過ごしてもらうかを特に重視している。春はアウトドアダイニングでシャンパンを、夏は冷房の効いたアイランドキッチンを囲み、ゆでたて茶豆でクラフトビールを飲む。秋の夜長は落ち着いた照明空間でスコッチを傾け、冬は定番雪見酒を熱かんで頂く。食事空間のイメージを膨らませている時が。設計の中で最も楽しい時間だ。
「居楽」―。居(お)りて楽しむ。コロナ禍以降、自宅で過ごす時間が増え、「自宅を楽しみたい」と思う人が多くなった。でもたまには外で飲む事も忘れずにいたい。閉店と聞き焦って行くと、既に遅い時が今多い事も事実なのだ。」