メディア掲載~新潟日報朝刊「甘口辛口」2020.10.16~
第二回はしょっぺ店のたくましさを
<商魂たくまし>
「人に語り継がれる「しょっぺ店」の個性は、それぞれ独特で皆商魂がたくましい。
オーダー伝票がチラシの裏紙くらいでは驚かないが、あるお店で座った途端におばちゃんが瓶ビールを置いた時には驚いた。
観察していると、同じように店に入ってきたばかりのお客にビールを出した。私と違ったのは、そのお客は日本酒をご所望のようで、そのビールは他のテーブルへ。
おばちゃんはすでに注文を受けているビールを、新規のお客に早く渡そうとしたのだ。既に落ち着いている客は若干時間差があっても文句は言わない。逆に新規のお客は座ってすぐに飲めるのは本当にありがたいものだ。
そんな左党の心理を見越しているのか、お店の効率を優先しているのか定かではないが、お店は四六時中ごったがいしていた。
まさに商魂たくまし! 東京恵比寿にあったその店は、再開発でだいぶ昔に無くなってしまった。しかし、あのおばちゃんは他のお店へ行っても繁盛をもたらす定員さんになっているに違いない」