atelier shot 2003.9.27

  
 アトリエの接客スペース兼打ち合わせスペース兼飲食スペース(アトリエ居酒屋ともいう)の「みせ」部分。右手に見える立派な柱は古材の梁をおっ立てた物。これ、友人が自分の生まれ育った家を解体するので使える物があったらもらって欲しい、ということで譲り受けた。その建物かなり古い町家で、とても壊されると思うと忍びなかった…けれどそれぞれの事情や考え方もあるからね。現場におられたおばあちゃん(友人の母)も少し寂しそうだったな。立派な大きなお宅だったので、きっとそこにはお嫁にきてから今までの沢山沢山の思いでが有った事だろう。友人も現在はそこに住んでいないけれど、子供の頃からの沢山の思い出があったに違いない、などと思いながら梁を数本と梯子段を頂戴することに。梁や差しは立派な物が多く皆欲しいくらいだったけれど、運搬の方法やストックスペースを考えると限度もある。頂いた物は大切に活かさせて貰います。
 その梁、我がアトリエの居酒屋(?)スペースに落ち着いてから圧倒的な存在感を醸し出している。さすがに持っている力強さが違うもんだ。梯子段もいずれどこかで使いたいと思っている。ともすると廃棄され焼却される物たちの中には、使い方によっては新たに息吹くと、人に感動や癒しといった事を与える貴重な存在になったりする物がある。そういえば最近、糸井重里氏はお年寄りに注目しているようで、知恵のいっぱい詰まったお年寄りは埋蔵金と一緒だって言ってたな。お年寄りはもちろんのこと、古い物、見捨てず見逃さず活かしていきたいもんです、お宝ですよ(ただ単にもったいながりという声もあがっているが)。先日も土蔵の梁を貰ってくれないか、という声がかりで頂いたけれどそれは20尺もある立派なケヤキの梁、しかしさすがに一本物としては扱えず泣く泣く半分に切ってしまった。場所があればな〜(いと)
 
 
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