木づかい建築コンペ2021 優秀賞受賞!
今年の木づかいコンペは優秀賞を頂きました。
展示パネルに書いてあるテキスト
「森や木」への想い (品質や産地・持続可能性等木へのこだわりや木の活かし方等木材利用への思い入れについて)
建築はできるだけ地産地消が基本と考えている。建築材料はその土地で無理なく調達でき、その土地の個性特性を元に物が開発され産地となる。
新潟の木材は地元の杉。梁など構造材は古くは強度を考慮した欅や松丸太が使われていたが、構造的には丸太を使うことで杉も充分使え、また表しの杉は美しい。
建築的地産地消は経済的には地元を潤させ、安定した産業が持続可能になる。そういった事から自分が係わる建築は常にその地産地消を意識したい。
「地域」への想い (技術・文化・産業・景観等地域への思い入れについて)
景観は地域の個性特性を表している建物群によって構成される。地域の気候や地場産業が色濃く表れた建物外観は地域を物語る文化といえる。
しかしその時代その時代に社会的変遷や産業の変化があるので、古い物を100%そのまま継承しなければいけないとは思わないが、古き価値を見極め、
継承する必要が有る物は守り、そこに時代の個性を加えることで、新たにその時代の個性を作る。
文化・景観を継承するということは、その価値ある歴史に新たなる価値を加える事でより良い価値を生み出す事。
継承と更新を意識した建築を常に考えている。
「施設」への想い (施設の建設にかかるデザイン・工夫・モデル性・独自の手法などについて)
この物件は地域の景観に寄与する歴史的建造物である登録有形文化財建物に接し、向かいにも登録有形文化財の料亭がある敷地である。
この地に建築する建物は、景観に配慮する必要がある。しかしまた住宅建築は個人所有物でもある。外観は景観を意識し馴染ませるようなデザインを心掛け、
内部は施主の個性を十分発揮できるようにした。内部に使う欅の大黒柱はかつて建っていた土蔵の棟木で垂木の欠き込みも意匠として表現。
価値ある建物でもその地にて継承ができない場合も有る。しかしその部材に新たなる息吹を与える事で価値は継続する。
外観は景観を意識し、内部は自由に、そして価値ある部材を継承。正に継承更新する家となった。