atelier shot 2013. 3. 25

  

建築の作り方(工法というより施工のシステム)は色々あると思う、ましてや住宅といった小規模かつ私的な建物なら尚のこと。昨年竣工を迎えたこの「キンダーガーデンハウス」も一般的でない建築といって過言ではない。何が一般的でないかというと、仕上げとして表面に表れる物のほぼすべてを施主が仕上げたDIY物件。約3ヶ月ほど休日や休み時間を利用して施主の家族が塗装をし漆喰を塗った。DIY建築は雑誌等で見かける事ができるが現実的に周りに存在するのは我々建築家、設計事務所が関わる物件位で、元々設計事務所が関わる物件は住宅着工数の中の数パーセントだから全体の棟数から見れば推して知るべし。先日この「キンダーガーデンハウス」におじゃましてきたが、まだまだ仕上げのやり残しがあるけれど、施主は空間に対しての満足さに加え今後の作業に関しても楽しげに語ってくれた。「遊びに来た友人が「こういう家の作り方も有ったのね」って評価してました」って聞かせてもらったけれど空間に対してなのかDIYに対してなのかは定かではないが、その人の周りにこういった家が無かったのは事実だろう。家族のスタイルや個性(ソフトともいえる)は数多ある。しかしそれに比べて住宅のスタイル(ハード)は豊富なバリエーションがあるとはいえないのが現実のようだ。

一般的な住宅建築は効率重視で、いかに早く納めるかがあたりまえでDIYのような時間がかかることを現場に持ち込む事を良しとしない。また竣工時に完成してないとオープンハウスもできないし竣工写真も撮れない。すべて業者の都合。しかしそういった業者の都合が住宅建築の一般的姿になり、住宅はもの作りとかけ離れたところに追いやられている。結果本来私的な建物で色んなパターンが有って良いはずの住宅建築が画一的な物(デザイン的にはいろいろな物が有るように見えるが目を細めモノクロームで感じてみると意外と同じような物が多い)となっている。
実際そうでないやり方は手間がかかるのは当たり前で効率を優とする主流業界とはまったく逆の位置にある。しかし今、私たちにできることすべきことは画一的なもの作りでは無く自由な発想や枠組みでもの作りを行うこと、あっちに足を運びこっちに足を運びあれやこれやと動きまわって・・・よってなかなかHPの更新もままならない・・・(でた!遅延言い訳^^;)

最後の写真は安田瓦で作った猫瓦。今までシーサー瓦や鬼載冠瓦を作ってきたけれど、今回は猫を載せてみた。キンダーガーデンハウスの家族に「さとっち」と名付けられ家族の一員になった。自由な発想が有ってもこんな事できるのは瓦の産地安田が身近にあるからこそ。ってことで安田瓦の話はまた今度。(久々過ぎてかなり反省気味のいと)

 
 
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