atelier shot 2004.12.12

  
 外から見れば何の変哲もないファーストフード店。この建物の表皮である外装屋根を取っ払ったところを想像するとなにかおかしな感じになる。できる前の空き地を知っているが、あのスペースにね〜何組もの人がいると思うとね〜・・・。
新築現場の地縄張りに立ち会う御施主さんはほぼ皆「えっ、こんなに狭い居間なの」とか「私の部屋せま〜い」などと図面から読みとれる空間より狭い空間イメージを感じるようだ。「できあがればちゃんと広く感じますよ」と説明するものの皆顔は一抹の不安を残している。前述のお店はたぶん約20坪位の客席だと思うが、仕切のないただっ広い空間であっても外壁・天井があるだけで感じ方が違うわけだから、間仕切りや柱といった造作物があるだけで逆に広がりを感じられたりと、物が空間感覚に作用する。だから一坪空間でも作り方一つで落ち着ける空間になり得るわけだ(ちょっと強引?)。
 新潟県はこの度中越地方を中心に甚大な地震被害を受けた。被災者の方には心よりお見舞い申し上げます。その避難所の映像にも見つける事ができた段ボールのパテーション。多数の人々が肩を寄せ合う避難所だからプライバシーの確保としても必要なのだろうが、それ以上に安らぎの空間を求めているのではないか。何もないただ広い空間は落ち着かなく感じ、それが不安につながる。段ボールの仕切が一つあるだけでパーソナルエリアができ、自分の空間・空気を確保できる。それによって無意識に安らぎを受けられるのだろう。空間というものはちょっとしたことで不安にも心地良いものにも変わる。空間を扱う人間ができるボランティア活動はこういった事なのかも知れない。
 今回友人より建物の被害に関していくつかの相談を受けた。現地を見て被害の大きさも身にしみて感じた。どれだけ力になれるのか計り知れないが、自分ができることで精一杯力になれればと思っている。そうそうアーティスト仲間のLREXではこんな事 もやっている。
 ま〜ただ私も後遺症が有り仕事以外でのパワーがダウンしていた事も事実。やっとここに来て復活モード。厄も空けパワー全開と行きたいものです。(いと)
 
 
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