新潟市下(しも)町に絶大なるネームバリューを持つ「せきとり」。この店、造りがいかにも増殖って感じのユニーな空間になっている。入ってすぐのカウンター席は常連さんの特権かな〜、元々はこの空間から店はスタートしたに違いないって感じの、いわゆる焼き鳥屋系テイスト満載の空間仕様。そこを抜けると活気溢れる店内が展開される。いつ行っても奥の座敷、2階共、お客さんでいっぱいで、とても下の住宅街に有るとは思えない。ここのおすすめははやはり唐揚でしょうね、お持ち帰りが何といっても多い。暮れやお盆お祭りといった年中行事になると、下の人たちにとってはごちそうの定番なのだろうか、とにかくお持ち帰りが多いのです。そういえば、我が家の年中行事のごちそう定番は「鮭」だった。そんな定番を今では時節関係なく食する。豊かになったのかも知れないが、近所にはスーパーばかりで、年中行事にはあそこのコレといった特徴有る物が、少なくなってきてるように感じる。その点「せきとり」の唐揚げは今でもしっかり下の生活に密着しているって感じ。スタッフのおばちゃんは、親族なのか近所のパートさんなのかははっきりしないが、顔が見えない一面、じょさいが無くお客にとっては心地よい距離感を保っている。30年以上経った今も第一級の賑わいを見せている「せきとり」は、流行る飲食店舗のエッセンスを完璧なまでに持っているのです。濃すぎない主張で総合的に高い個性は、新潟人好みかも。レベルの高い「しょっぺ店」らしく、言葉や文章で表現するには伝えきれない「空気感」を持っているんです。西の横綱に文句なし!。
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