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両国

所在地:新潟市中央区けやき通り  業種:居酒屋  開業年:昭和49年

 駅南けやき通りに面し、古くからやっている店。駅南はかつて私が住んでいたエリアで庭のように通っていたまち。という事で顔を出す店が多く、このお店の存在は知り気になっていたものの今まで縁がなく伺うことが叶わなかった。
 住まいも駅南を離れ、この地に飲みに来るのも月に一度あるかないかとなった昨年(令和5年)の暮れに、地元建築行政に長らく仕え建築家ネットワークのハブのような存在の方の声掛けでこのお店で建築家有志の忘年会を開催。その方はこのお店が十日町と縁あるお店ということで古くからの常連さんとのことだが、十日町の「アートトリエンナーレ」の仕掛け人ということから、繋がりも納得。どうあれ数十年来気になっていたお店で飲むことができた。
 想像通りお店は正統派居酒屋しょっぺ店!メニューは呑兵衛食いしん坊の琴線を震わす物ばかりで、どれから頼もうか迷ってしまう。その後数回訪れたが、メニュー選択はある程度おばちゃんに任せた方がベスト。お店のお薦めはもちろん、お料理の量を見極め頼みすぎないようにアドバイスして頂ける。またそれが的確だ。流石呑兵衛食いしん坊に百戦錬磨接している賜と言える。
 お店の名前のルーツを尋ねたが、元々は親父さんが店を任された時から付いていた名で、その店は十日町にあり、やはり相撲力士とは関係があって付けられた名前とのことだそうだが、詳細は失念した・・・。そのお店の何かのお祝いの席の席次第を見せて頂いたが、十日町のありとあらゆる商工関係者、観光スポーツ関係、行政関係、政治関係etc・・・全ての十日町市民が集まっているのではと思わせるぐらいの面々で、そのお店が十日町市民全ての人から愛されていたことが伺える。
 そのお店を受け継いだのが昭和49年、と聞いた様に記憶している(移って年だったかなあと迷ってはいるが間違っていたらあとで訂正する事に)。そしておばちゃん(親父さんの奥さん)の生まれ育った新潟市駅南に越してきてこのお店で営業を続ける。という事で50年は営業していることになる。これだけでも番付け上位間違いなしの条件である。
 昭和の駅何の歴史を語ってくれる親父さんとおばちゃん。駅南にプラーカができる前は田んぼ畑ばかりのまちだったとか、笹出線が拡幅されアッという間に新潟を代表するまちに様変わりしたとか、ここ数十年の歴史まちの変遷を懐かしく聞かせてもらえる、まさに駅南の生き字引。けやき通り商店街で最も古く残っているお店と言える。お二人もそれなりに年を重ねられ、今後のお店の動向が気になるところであるが、できうる限り続けて頂ければ、できれば何方かがいつか引き継いで頂けたらと思うばかりである。
 これだけの歴史がある店で今まで番付けにアップされていなかったのは、私の不徳の致すところ、まだまだ隠れたしょっぺ銘店があることを日々気に掛け情報収集に励みたい。