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あけぼの

所在地:新潟市古町5  業種:カウンター居酒屋  開業年:

 とにかくしょっぺ店という言葉のルーツの店。80年代初期バイト先のマスターに連れて行かれ、以来たびたび通ってた。そこでの会話の中に「しょっぺ〜」ってのが使われはじめ、他の店他のことでも「しょっぺ」で共通に認識できる単語になった。なんてったっておばちゃんのキャラは語れる。日本酒はどうこと呼ばれる燗器でアルミちろりを湯煎でお燗するわけだけど、たのんでもなかなか出てこないことがある。気が付くとおばちゃん寝てて、お酒は湯煎の中で煮立つほど燗されている。お客はいつものことと割り切っていて決して怒らない。対応の仕方は、「おばちゃんぬるくっていいっけね」と声をかける。目覚めたおばちゃん「あ〜そーらったね〜」と言いながら半分別のちろりに開けて、一升瓶の酒をたしてだす。いつものことだから、一連の動作は手慣れている。煮立った酒を冷や酒で薄めて出すわけだけど、誰も怒らない。おばちゃんがやることは皆容認するんです。ほとんどの客が大酔っぱらいまで飲んでるのに、ほとんどの客が小銭で支払う。それだけ庶民的価格でしたね。昭和新道(ソープ街)の真ん中にあって、呼び込みのお兄さんに声かけられても「あけぼの行くから」っていうと、それっきり声かけられない。あけぼのの客はソープと無縁な客ってことをお兄さん方は知っているんです。
 「6Pチーズのつまみ」「来たれラガーマンのポスター」「醤油湯の肉鍋」「ぼくにはいつ行っても、昨日カズちゃん来たよ、って話しかける(何回行ってもぼくの名前はカズちゃんの友達だった)」等など、語り尽くせばきりがない。最近親しくなった同胞もほとんどが「あけぼの」経験者で、話し始めると盛り上がる。そんな「あけぼの」も90年代半ばにおばちゃんが病気になって閉めてしまった。元気で今でもやってたら、もっともっともっと語り尽くせないほどの話題が溜まったんだろうな〜。やっぱ「しょっぺ店」の王道だね。