weekly shot 2003.1.23

  
 右下に見える狛犬のようなシーサー、アトリエの玄関口に鎮座している。ディスプレイテーブルにのっかてる子と一緒に3年前沖縄より連れてきた。沖縄に来たからにはやはり本場でシーサーを買いたいと思い、窯場を統合して窯元を集めた「壺屋地区」に行ってみる。まずは人間国宝である金城次郎氏の店に寄ってみた(シーサーとは関係ないが)。薬味入れにちょうど良さそうな小皿が5千円位で買えたので気に入って買って来たが、焼き物好きに言わせるとそれは本人が焼いたやつじゃなく金城次郎窯アトリエ製だろうという。そりゃそうだ、人間国宝ですからね、そう容易く値ごろ品が手に入る訳無いのかもしれない。しかし氏は結構安い生活雑器も作ってるらしいんです。もともと生活雑器を作っている壺屋焼き。氏は人間国宝になったからといって、天狗になって「俺が作るのはお宝なんだ」ってなスタンスではけっして無い人柄で、日本で一番安い物を作る人間国宝だって事を物の本で見たことがある。だから自分では氏の作ったやつじゃないのかなって思っているが、ま〜どちらでもいいです。氏の独特な個性と躍動感が伝わる作品だったのだから、アトリエ製だとしても金城次郎物として使っております。
 シーサーは顔が命。顔だけ見て窯元、道具屋、古道具屋さんを歩いてみたんだけれど、以外と良い顔の物がない。時折「良い顔」を見つけて店員さんに尋ねると非売品だったりする。やはり売り手もその辺わかってるようだ。そんな時めぐり会ったのがこの子たち。焼き物ではなく石膏製で、本来は瓦の上に載せるシーサーとのこと。(確かに沖縄の屋根の上に半分とろけてる石膏シーサーをけっこう見た)20代の作家(名前は忘れてしまった)作で最近注目を浴びつつあると店のおばちゃんが言ってた。その道具屋(っていうか雑器屋さん)20代の作家の作品を置く店にはとうてい見えなかったが、おばちゃんと話してわかったことは、その作家お孫さんの娘の友達だということ。それで納得。しかし本当にその店に吸い込まれた。っていうかやっぱこの子たちと縁があったんでしょうね。それ以来うちの守り神(?)になってます。時折前を通る小学生が立ち止まって見入っていくけれど、それほど人を引きつける魅力を持っている。あやかりたいものです。(いと)
 
 
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